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インフルエンザ2008

 

インフルエンザの季節が近づいてきました。今年は予防接種不足は問題無いので、インフルエンザの予防を心掛けましょう。

豆知識
毎年5〜20%の方がインフルエンザに罹ります。
毎年20万人以上の方がインフルエンザに関連する合併症で入院します。
毎年約36000人の方がインフルエンザに関連する合併症で亡くなります。

インフルエンザは11月から3月に流行します。インフルエンザの予防接種は受けてから約1〜2週間で抗体ができ、抗体ができれば約6ヶ月間有効です。ですから予防接種は10月から11月半ばまでに受けるのが一番効果的です。但し、インフルエンザは3月末ぐらいまで発生すると予想されていますので(昨年は当院でも4月中にも何名か発病しました)、遅れて受けても効果はあるでしょう。又、予防接種を受けてから抗体が出来るまでの期間に感染した場合は、発病してしまいますので、家族の一員が発病したからとあわてて予防接種を受けても効果はありません。

今年はCDC(米国疾病予防管理センター)、ACIP(米国予防接種諮問委員会)、AMA(米国医師会)により、下記のグループは予防接種の優先度が高くなります。

1) インフルエンザにより、合併症が起こる可能性が高いグループ

  • 6ヶ月〜18歳
  • 妊婦
  • 50歳以上
  • 慢性疾患
  • 老人ホームなどの施設に住んでいる方

2) インフルエンザにより合併症が起こりやすい方と接する事が多いグループ

  • 1) のグループと住んでいる方
  • 6ヶ月未満のお子さんと住んでいる方、接する方
  • 医療従事者

3) その他の方

今年の大きな変化は5〜18歳の予防接種の優先度が高くなった事です。

予防接種の副作用として一番多いのは筋肉注射による筋肉痛です。これは二日間位で治ります。その他には微熱、関節の痛みなどの軽い風邪の症状が現れる事があります。通常このような症状は注射を受けてから6―12時間後に現れ、二日間程度で治ります。また、予防注射を接種したためにインフルエンザになるのではないか、と心配をしている方も少なくないようですが、インフルエンザの予防接種は、既に死んでいるウィルスを基に作られているので、インフルエンザになる心配はありません。

注射嫌いの方の為に鼻から注入するスプレー式の予防薬、Flumistもあります。この予防薬は効果も注射とほぼ同じとみられ、副作用も鼻水、鼻詰まり等軽めです。Flumistは鼻粘膜から吸収され、体内で抗体が作られます。

Flumistは2歳から49歳まで使用が認可されています。また、Flumistの使用は慢性疾患を伴わない方のみの使用となっております。Flumistは弱毒化ウィルスを使っていますが、これはまだ生きているウィルスです。小さなお子様、または高齢の方は免疫機能が低下している可能性がありますので、Flumistがインフルエンザの症状を起こしてしまう恐れがあります。又年齢にかかわらず、慢性心肺疾患、腎臓病、糖尿病などを抱えている方も同じく対象外となります。又予防接種は認められていますが、妊婦への安全性はまだ明らかでないため、対象外となります。

インフルエンザが発病すると症状としては急に起こる発熱、悪寒、倦怠感、咳、筋肉痛等があります。

今年使用される抗ウィルス剤は去年と同じく、『Tamiflu』、『Relenza』、『Flumadine』の3種類が一般的です。TamifluとRelenzaにはいくつかの利点があります。この二つはA型及びB型インフルエンザに効果があり、治療期間が短く、5日間ですみます。Relenzaは紛状の薬ですので、胃の弱い方にはお勧めです。欠点は紛状のRelenzaは喘息の病気を持つ方は発作を起こしてしまうことがあると言うことです。FlumandineはB型には効かない、治療期間が長い、副作用が比較的多いなどの欠点があり、最近はあまり使われていません。

最後に一言付け加えますと、『早めに早めに』を実行して下さい。早めに予防接種をすること、また発病したら早めに治療を開始することです。身近にいる人が発病してから予防接種をしても手遅れ、また症状があらわれてから3〜4日経ってしまうと薬も効果がなくなってしまうので、辛い7〜10日間を過ごすことになります。

もし、身近にいる方がインフルエンザにかかった場合は、予防薬として、インフルエンザウィルスに効く抗ウィルス剤を服用することも可能です。これを服用することによって発病をある程度予防することもできるでしょう。