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インフルエンザ2007(2)症状と薬編 - 12/2007

 

インフルエンザが発病すると症状としては急に起こる発熱、悪寒、倦怠感、咳、筋肉痛等があります。インフルエンザを他の病気や風邪と見分けるのはなかなか難しいことですが、インフルエンザの場合には咳が症状の一つとしてほぼ必ず現れます。又、インフルエンザのウィルスを調べる検査もあり、診断を出すのが容易になってきました。検査は15分ほどで結果が分かります。幸いな事に殆どの場合、インフルエンザは一週間位で回復します。但し高齢の方、あるいは慢性の病気を持っている方などは、回復が長引いたり、合併症を起こしたり、最悪の場合は死亡することもあります。

インフルエンザの約90%は問題なく回復します。但しインフルエンザウィルスに感染すると、気管支の細胞がダメージを受け、肺炎になりやすくなります。10%ぐらいの人は合併症として肺炎を起こします。高い熱が四日間以上続いたり、一度下がった熱が再び上昇し始め、咳や痰がひどくなってきた場合には必ず医師の診察を受けて下さい。

治療法としては解熱剤、咳止めなどを用います。症状が現れてから二日以内の場合には、抗ウィルス剤を使うと、熱が下がり回復が早くなります。但し、発病してから二日以内に飲まないと効果がないので、早めに主治医に相談する事をお勧めします。

現在使われている抗ウィルス剤は『Tamiflu』、『Relenza』、『Flumadine』があります。TamifluとRelenzaにはいくつかの利点があります。この二つはA型及びB型インフルエンザに効果があり、治療期間が短く、5日間ですみます。Relenzaは紛状の薬ですので、胃の弱い方にはお勧めです。欠点は紛状のRelenzaは喘息の病気を持つ方は発作を起こしてしまうことがあると言うことです。FlumandineはB型には効かない、治療期間が長い、副作用が比較的多いなどの欠点があり、最近はあまり使われていません。

Tamifluは昨年、服用後、意識障害、異常行動、幻覚などの精神神経症状が出たケースが報告され、話題になりました。この報告は殆どが日本国内からの報告で、10代の方に多く報告がありました。薬との因果関係はまだ明確ではありませんが、米国では薬の注意事項として、付け加えられました。日本では報告数が多いため、10代での使用は原則として中止となっています。

最後に一言付け加えますと、『早めに早めに』を実行して下さい。早めに予防接種をすること、また発病したら早めに治療を開始することです。身近にいる人が発病してから予防接種をしても手遅れ、また症状があらわれてから3〜4日経ってしまうと薬も効果がなくなってしまうので、辛い7〜10日間を過ごすことになります。重要なことは

1)インフルエンザに罹らないように予防接種を受ける事
2)症状などをよく理解しておき、それらしき症状が出た場合は待たずにすぐ受診して治療を開始する。早く診断をつけて、抗ウィルス剤の治療を開始すれば症状も比較的軽くすみます。

もし、身近にいる方がインフルエンザにかかった場合は、予防薬として、インフルエンザウィルスに効く抗ウィルス剤を服用することも可能です。これを服用することによって発病をある程度予防することが可能です。