ホームページ
メールリスト 連絡先
日本クリニックについて サービス内容
Chicago San Diego
 
 
胸郭・脊柱・体型の異常
 

英語: Scoliosis; deformities of the spinal column and thorax

脊柱の異常
脊柱の形態異常としては様々なものがありますが、脊柱側弯および後弯がその代表的なものです。

脊柱側弯症 (Scoliosis)
定義:側弯症とは脊柱が左右の何れかにわん曲したもので、構築性と非構築性のものとがあります。前者は脊椎の歪みと捻れを伴う真の側弯症で、後者は脊椎の歪みも捻れも伴わないため真の側弯症ではなく、機能性側弯症ともいわれています。また、構築性側わん症には原因不明の特発性側わん症と、原因がはっきりしている各種側わん症とがあります。

診断:構築性側弯症は、彎曲の反対方向に体を側屈させたり、臥位にさせたりしても側弯は消失しません。一方、機能性側弯症は反対方向への側屈や臥位で側弯は消失します。この機能性側弯症は、いわゆる不良姿勢とか脚長差とか坐骨神経痛などに起因し、いずれもその要因を除去すれば簡単に側弯は消失するので、とくに側弯そのものに対する治療は必要としません。したがって、診断に際してはこれら2つの側弯症をしっかり鑑別することが重要です。なお機能性側弯症の場合には、rib humpや lumbal humpなどは認められません。以上の視診により異常が疑われる場合には、臥位と立位での脊柱全長(必ず両腸骨翼を含めて)X線正面像を撮って確定診断をします。なお、側弯角度の測定は、Cobb法で計測することが国際的に統一されています。

治療:側弯角が20°未満のものは、6ヶ月に1回の自然経過観察を行います。側弯角が20°以上のものには矯正装具(underarm brace)を装着します。装具装着の期間は、身長の伸びが停止する年齢、すなわちその目安として腸骨X線写真でのRisser’s signが5となるまで(女児ではおよそ16歳、男児ではおよそ18歳)です。側弯角50°以上のものに対しては手術による矯正を必要とします。

患児および保護者に対する注意:構築性側弯症は進行性のものが多く、早期発見・早期治療が必要です。また、矯正装具による治療に際しては医師の指示どおり正しく根気よく装具を装着することが何よりも大切で、治療に落伍してしまうと高度な側弯を生じてしまうことが多いです。したがって、この旨を患児および保護者に十分理解していただき、治療に積極的に協力させることが非常に重要です。