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中耳炎(Otitis media)
 

原因:細菌感染、ウイルス感染

この病気は風邪の季節である冬期に多く見られるものの、一年中見られる病気です。中耳(内耳)と鼻は耳管という細い管で繋がっていて、通常この耳管が内耳の圧力を一定化させて、内耳内に分泌物がたまったりしないようにしています。
ところが風邪を引いて鼻水が出てくると、鼻の粘膜がはれてきて、鼻の粘膜内部の上の方にある耳管の出口がふさがってしまいます。この耳管の通りが悪くなる事により、分泌物が逆流して中耳に溜まります。狭い所に溜まってしまった分泌物は体温により暖められ、細菌にとっては絶好の媒体となります。内耳内の細菌が増えるにしたがって炎症はますますひどくなっていき、体温が上がり、耳痛がでてきます。耳痛の程度は炎症が進行するにつれて上がっていく内耳内の圧力に比例しています。逃げ道を失った内耳内の分泌物(うみ)は炎症が進むにつれて圧力を上げて鼓膜を外側へと押して行きます。この時点で診断を見過ごしますと最後には鼓膜が破れウミが耳から流れ出る事もあります。もっとも、この様にウミが出た場合には中耳炎の末期であって放っておいても自然に治ります。
早期診断で早くから抗生物質を投与する理由は鼓膜の破れを防ぐ為といっても過言ではありません。又、将来の聴力障害を防ぐと言った観念からも早期診断が大切です。中耳炎の治療には抗生物質が必要となります。

治療法:抗生物質

予防法:
風邪を引いたら、まず市販の風邪薬(Triaminic, Pediacare)を48時間から72時間ぐらい使用してみることです。この間もし熱が上がる様であれば解熱剤(Tylenol)も併用しなければなりません。 Tylenolの量は体重1kgにつき10mgです。72時間以上を経過しても症状が市販の薬でよくならない場合は医師の診断を受ける事をお勧めします。

頻繁に聞かれる質問に、『中耳炎はクセになりますか?』というのがあります。確かに1年中、たびたび中耳炎のために小児科に通っている子供はいますが、中耳炎がクセになるという事は無いと思われます。
アメリカの小児の間では、乳幼児1人あたりの中耳炎の平均罹患数は1年に6回位とされています。勿論この平均回数を大幅に上回った場合は、その原因を突き止める為の検査をする必要がありますし、耳鼻科でも鼓膜切開等の処置をしなくてはならない場合もあります。しかし多くの場合は1−2年に1回位小児科で聴力のスクリーン検査をしておけば、それほど心配する必要はありません。