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りんご病
 

英語名: Fifth Disease

りんご病と呼ばれる病気の正式名は伝染性紅班という病気です。

この病気は初夏から秋にかけて多く見られる病気です。感染経路は風邪と同じように、空気感染が一般的です。

この病気の病原体はヒトパルボウイルスB19と言うウィルスで、主に小児期にヒトからヒトに空気感染で発病します。感染後およそ1週間の潜伏期間を経て、微熱、咳、くしゃみ、鼻汁等が約半数に認められ、それらの症状から数日位して顔、そして体、主に上肢下肢に赤い発疹が出現します。

先ず頬部(ほっぺた)がかなり明瞭に赤くなり、そのため俗にりんご病と呼ばれています。その後主に腕や大腿(ふともも)に赤い発疹が拡がり徐々に網状やレース様の特徴的な発疹となります。早いと3〜4日で消えますが、3週間以上残ることもあります。又この発疹は、光、熱、摩擦等で強く出たり再発することがあります。多くは特に問題なく自然に治ります。重要なことは、この病気が正しく判断されるかという点です。もともとこの病気は典型的でない風疹だと考えられていた時代があった程で、今でも初回の診察では風疹と診断されている例があります。成人に発病した場合は、風疹との区別が困難で血液検査を必要とする事もあります。成人の場合は熱や、強い関節痛が出る事がよくあります。しかし、実際はこの病気は一度罹ると終生免疫を得るので、大人での発病は稀です。

パルボウイルスB19は,伝染性紅斑の病原体ですが、その他にも幾つかの病気に関与している事実が明らかになってきています、たとえば成人女性に1〜3週間持続する関節炎、又ある種の貧血の患者さんに感染すると一時的に造血が傷害され、強度の貧血を引き起こします。また妊婦に感染した場合、とくに妊娠前半期には胎児死亡流産の原因になる事があります。

伝染性紅斑は最近ではおよそ5年周期で流行するとも言われていますが、現実としては毎年季節に関わり無く小規模な流行があります。多くの場合は正しい診断さえ受ければ何の心配もありません。また他人への感染の時期は初期の5日間くらいと考えられており、少なくとも発疹が出てきた頃には他に感染させる可能性はありません。学校保健上の取り扱いも登校登園停止になっていません。しかし何かの理由で医師から家庭での安静等を指示された時にはそれに従ってください。

特に治療法は無く、そのままで約平均1週間で赤みがひいてきます。かゆみが強いときは、かゆみ止めの薬を使う事もあります。成人の場合で、熱、関節痛がある場合は消炎鎮痛剤の使用が効果的です。生活上、食事等の制限は特にありません。ただし、運動、風呂、直射日光に当たる等の事で皮膚が暖まるとかゆみが増す事が多いので、程々にして下さい。