大腸癌の殆どが無症状で進行します。比較的ゆっくりと成長し、ある程度の大きさに成長するまで症状は現れない事が一般的です。幸い大腸癌はある程度は予防が可能であり、早期発見すれば完治できる癌の一つでもあります。
大腸癌はどのように発病する?
大腸癌は殆どの場合ポリープから始まります。ポリープとは大腸の粘膜の表面に出来るこぶの様な物をまとめてポリープと呼んでいます。ポリープはいろいろな種類がありますが、大きく分けると下記の3種類が殆どの物です。
- 過形成ポリープ 比較的小さなポリープで癌になる心配はありません。
- 炎症性ポリープ 大腸の炎症後に出来るポリープで癌になる心配はありません。
- 線種 良性のポリープですが、放置しておくと癌に変わる可能性があります。殆どの大腸癌の発生がこの線種から始まります。
確率から言うとポリープが癌に変わる可能性は総合的には低いのですが、殆どの癌がポリープから始まるのは事実です。ポリープが小さいうちは発癌性は低いのですが、徐々に大きくなるにつれて癌に変わる可能性が高くなります。
誰に大腸癌は起こりやすい?
誰にでも起こる可能性はありますが、50歳以上になると急激に発生リスクが増えます。また大腸癌及びポリープは遺伝傾向が強く見られます。
その他のリスクは
- 自分、又は家族の大腸癌の病歴及びポリープの有無
- 高脂肪、低繊維食(肉食)
- 炎症性腸疾患
- 肥満
- 喫煙
症状は?
大腸癌は症状が無く進行する事が多いので、予防的な定期検査を受ける事が重要です。内視鏡検査やバリウムX線検査で診断可能です。
初期の段階で見られる可能性のある症状は出血です。但し初期の段階では癌がまだ小さいため、少量の出血しか起こりません。なので、肉眼的に分かるものではなく、便の出血反応を調べる検査で一部のケースは見つける事が出来ます。これは少量の便を検査するだけで簡単に調べられます。癌が進行するにつれ、サイズが大きくなると、出血の頻度も増し、量も多くなるので、目でみて分かる血便が起こったり、便通の回数に変化が現れたり、便が細くなったりする事もあります。
症状は癌のサイズ、場所により異なりますが、下記のような症状があるようでしたら注意しましょう。
- 急に起こる便秘、下痢、または突然に便通の回数、パターンに変化が起こる
- 血便(必ずしも血便は痔が原因ではないので注意)
- 原因不明の腹痛、腹部膨満感
- 体重減少
- 貧血
ポリープが見つかったら?
ポリープは内視鏡検査中に切除され、病理検査が行われます。ポリープの種類により、今後の検査の頻度などが違ってきます。大腸癌の発生要因となる線種が見つかった場合は今後も繰り返し出来る可能性が高いので、定期的に内視鏡検査を受けてポリープの再発を確認する必要があります。ポリープが大きくて内視鏡で切除できない場合は外科的に切除が必要な場合もあります。
いつごろから検査を始めればいい?
健康診断を受ける際に大体の場合は便潜血反応検査が行われますので、これは年齢を問わず全員が受けた方が良いでしょう。この検査で100%大腸癌を発見できるわけではありませんが、検査は非常に簡単にできますので、毎年受ける事ををお勧めします。
次に必要なのが大腸の内視鏡検査、またはバリウム大腸検査です。今現在ではバリウム検査の頻度が少なくなってきています。アメリカでは症状、大腸癌のリスクが無くても50歳になったら一度検査を受ける事が勧められています。また、家族歴に大腸癌がある場合は40歳または家族の方が癌になった年齢よりも10歳早く始める事が勧められています。内視鏡検査は腸の中を空にして検査する必要がありますので、前日からの準備が必要です。この準備がやや面倒な事はありますが、検査自体はアメリカの場合は軽い麻酔を使って行うため、寝ている間に検査が出来、辛い、痛いという事はありません。日本でも徐々にこの方法が増えてきています。
まとめますと、大腸がんの殆どはポリープから始まります。ポリープは小さいうちはリスクは少なく、大きく成長するにつれて癌になる確率が高くなります。つまり定期的に検査をし、ポリープを切除しておけば大腸がんは予防できる癌でもあります。50歳になったら誰でも一度検査は行い、また家族歴、その他のリスクがある方はもっと早目に検査を始めるようにして下さい。
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