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ライム病について
 

暖かくなり、外出する機会が増えると注意しないといけないのがライム病です。   

ライム病とは、マダニを媒介し、Borrelia Burgdorferiと言う細菌によって起こる感染症です。日本では比較的珍しい病気ですが、アメリカ国内ではWisconsin州とConnecticut州を中心とする東海岸沿いの州(PA、NY、NJ、RI、MA等)に多くみられます。

ライム病は現在報告されているだけで、ヨーロッパ、南アフリカ、北米、オーストラリア、中国、及び日本で存在が認められ、特にヨーロッパ、北米では年間数万人の患者が発生し、日本では最初のライム病の症例が1986年に長野県で報告され、それ以後は、北海道、長野を中心に報告があります。

ライム病の病原体であるBorrelia Burgdorferiは1982年に米国でマダニより分離されました。この菌を持つマダニに噛まれると感染し、発病する可能性があります。ライム病の難しい所は必ずしもダニに噛まれた事がはっきりしていない事です。マダニはかなり小さく、知らないうちに噛まれているという事もよくあります。

ダニに噛まれた後、症状はいくつかの段階に分かれて表れます。

初期…ダニ咬着より3〜30日後に遊走性紅斑、リンパ節の腫れやインフルエンザの様な症状を呈します。 遊走性紅班の特徴はダニに噛まれた部分から円状に広がり、30cmぐらいまで広がる事もあります。紅班が広がるにつれて、中心の部分が元の皮膚の色に戻り、痛み、痒みはあまり無い事が特徴です。ライム病の7〜8割にこの紅班が見られます。

中期…感染より数日〜数週間後に髄膜炎、多発性神経炎等の神経症状、Bell 麻痺(顔面の神経麻痺)、不整脈等の循環器症状、関節痛、関節の腫れ等の関節炎症状を呈します。

後期…1〜数年後に慢性皮膚炎、慢性関節炎、慢性髄膜炎、脳炎、角膜炎を生じる事があります。

この中で頻繁に現れる症状は遊走性紅斑、リンパ節の腫れ等の症状で、神経症状は必ずしも表れませんが、重要な症状です。

ライム病の診断は上記に示した自覚症状、臨床所見等から判断し、疑いが強い場合は血液検査を行います。血液検査は感染後すぐには反応しない事もあるので、時間を置いて再検査が必要となる場合もあります。また、もし噛まれたダニが手元にある場合は、それも重要な診断の参考になります。 治療には感染初期では、抗生物質の服用をします。神経症、心筋症などの症状が表れている場合は、治療期間がさらに長くなり、また場合によっては注射が行なわれることもあります。
 
ライム病はマダニに刺される事により起こる為、マダニが多くいる野山に入る時には刺されないようにする事が最善の予防法となります。下記の事に注意して下さい。

1…深い森林や野生動物の通り道、すなわち獣道は避ける。
2…ダニが上ってきてもすぐに分かる様に、衣服は明るい色のものを着用する。
3…皮膚の露出を少なくし、帽子を着用する。
4…防虫スプレーを使う。
5…室内に戻ったら必ず体のチェックをする。

万が一、ダニの吸着に気が付いた場合は、つぶさすにピンセットなどで取り、取ったダニはプラスチックの容器などに入れておいて下さい。又、咬着部位に紅斑や、リンパ節の腫れ、発熱、倦怠感を認めた時は直ちに医療機関に受診し、診断を受け、抗生物質の投与を受けて下さい。またこの時、保存したダニを持参すると診断の参考になります。

症状が紅班のみの場合は、抗生物質治療で殆どの場合完治します。一部の症例には治療後、慢性的な疲労症状が表れる事がありますが、原因は定かでなく、特に治療法はありません。

関節炎が現れた方は10%の確率で関節の腫れが治療後も残ります。これはライム病が引き起こした、自己免疫反応が原因とされており、免疫機能を抑制する治療法が効果的です。

重要な事は、勿論ダニに噛まれる事を予防する事ですが、もし病気が発病した場合は早めに治療を開始した方が慢性症状が残る可能性が少なくなります。外出の多い季節は常にダニには注意し、原因不明の紅班が表れた場合はダニにかまれた覚えが無くても早目に診察を受けて下さい。