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甲状腺機能低下症(橋本病)について
 

一般にそれ程気にされていない甲状腺ですが、甲状腺の病気は多く診られます。今月は甲状腺の代表的な病気、橋本病について話します。

甲状腺とは?
甲状腺は、蝶が羽を広げた様な形の臓器で、のどぼとけの下にあります。正常な甲状腺は柔らかいので外から触れてみても分かりにくいものです。甲状腺は主にT3、T4と言うホルモンを分泌します。このホルモンは体の新陳代謝を促す役目があります。このホルモンが多すぎると、脈が速くなり、体温は上昇し、手が震え、汗をよくかきます。(体が活発な方向に進む)。代表的な病名がバセドー氏病です。反対にホルモンが少なくなると脈が遅くなり、体温は低下し、皮膚が乾燥し、活気がなくなります。代表的な病名が橋本病です。

原因は?
橋本病は自己免疫疾患の一つと考えられています。本来免疫というのは外部の物に対して反応する(細菌、異物、ウィルス等)のですが、これが何かの原因で自分の体に対して反応してしまう状態を自己免疫疾患と呼びます。橋本病の場合も、免疫のくるいにより甲状腺を異物と勘違いして、甲状腺に対する自己抗体ができてしまい、この自己抗体が甲状腺を破壊していく為、徐々に甲状腺機能低下症になっていきます。この病気は女性に多く、また遺伝性もみられます。

症状は? 
橋本病は非常に症状が緩やかに進むため、ある程度病気が進むまで無症状であることが一般的です。症状が出る前に、殆どのケースが血液検査などで発見されます。ただし、症状が進むと(甲状腺ホルモンがかなり低下する)全身の新陳代謝を促すホルモンが減少する為、左記のような幅広い症状がみられます。

1.全身症状:

寒がり、疲れやすい、動作が鈍い、体重増加、声がれ、声が低音になる、低体温 

2.顔つき・首:

むくみ、甲状腺の腫れ、のどの違和感、ボーとしたような顔 

3.神経・精神症状:

物忘れ、無気力、眠たい、ぼーっとしている 

4.循環器症状:

徐脈、息切れ、むくみ、心肥大 

5.消化器症状:

食欲低下、舌が肥大、便秘

6.皮膚:

汗がでない、皮膚の乾燥、脱毛、眉が薄くなる、皮膚の蒼白 

7.筋骨症状:

脱力感、筋力低下、肩こり、筋肉の疲れ 

8.月経:

月経不順、月経過多 

9.血液値:

コレステロール上昇、肝機能障害、貧血

勿論これらの症状が全て現れるわけではなく、個人差が幅広くみられます。また寒がり、疲れやすい、肩こりなどの症状は病気でなくてもありがちな症状ですので、病気だと気がつかない場合も多く見られます。

治療法は?
治療法は比較的簡単で、不足しているホルモンを経口投与することによって、体内の甲状腺ホルモンを正常レベルで維持する事が出来ます。この病気は根本的に治癒しない病気ですので(甲状腺が破壊されてしまうので、機能は回復しない)、一生毎日薬を飲み続ける必要があります。薬と言いましても、体内に不足しているホルモンを補充しているわけですから、適量の薬を服用している限り薬の副作用は特にありません。また妊娠中でも安心して飲めますし、母体の甲状腺ホルモンのレベルは胎児の成長にも影響しますので、きちんと管理しておく事が重要です。