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インフルエンザ(続編)について
 

読者からの問い合わせの中でやはり大半はインフルエンザに対する質問でした。今年は全米で大流行ですので、問い合わせの中の幾つかについてお答えしておきます。

今年のインフルエンザ予防接種の効果は分からないと聞きましたが?

予防接種は毎年製造されています。予防接種はその年に流行するだろうと思われる型を予想した上で作られるものです。一般的に3種類のインフルエンザウィルスを元にして作られます(A型2種類とB型1種類)。しかし予想を元にして作られていますので場合によっては予想が外れたり、ウィルスが変異する場合もあります。今年はそれに該当します。このような場合は予防接種の効果が思ったほど期待できません。ただし、ある程度の予防効果はあると見られていますし、また症状も軽くすむと思われますので、とにかく予防接種はしたほうがよいと思われます。


予防接種が不足していると聞いていますが?


今年は過去の接種数を元にして、予防接種の数は十分あると予想されていました。ところが、今年は西の方から、インフルエンザが早い段階で大流行し、乳幼児の死亡も沢山出たというニュースが流れました(特にコロラド州)。これを聞いて、大勢の方達が予防接種に駆けつけ、全米の在庫がほぼ底をつくと言う状態になってしまいました。今現在(12月15日)の段階では当院を含み、この近辺の医療機関ではすでに無い所が殆どです。また、場所によっては、インフルエンザを検査する道具も足りないというところも出てきています。また薬局で治療薬が不足(とくに子供用のシロップ)しているところも多発しています。


予防接種を受けてないのですが、どうしたら良いのでしょうか?

この記事が出るころには予防接種はもう受けられないと思いますので、いくつか出来ることがあります。
1) 症状などをよく理解しておき、それらしき症状が出た場合は待たずにすぐ受診して治療を開始する。早く診断をつけて、抗ウィルス剤の治療を開始すれば症状も比較的軽くすみます。
2) 身近にインフルエンザにかかった方がいる場合は、予防薬として、インフルエンザウィルスに効く抗ウィルス剤を服用する。これを服用することによって発病をある程度予防することが出来ます。
3) Flumistを受ける。これは今年認可された鼻にスプレーするインフルエンザの予防薬です。


Flumistについてもう少し知りたいのですが?

Flumistは今までの予防接種とはいくつか違う点があります。まず注射の代わりに鼻からスプレーし、鼻粘膜から吸収され、体内で抗体が作られます。また、注射の場合、ウィルスはすでに死んだものを使っていますが、スプレーのほうは、弱毒化されたウィルスを使っています。弱毒化ウィルスは、健康で免疫機能が正常な方にはインフルエンザの症状は起こしません。また、この弱っているウィルスは熱に弱いのも特徴です。これは表面に近い鼻や、喉では、増殖出来ますが、気管など温度の高いところでは増殖しないということです。Flumistの効果は今年認可されたばかりなので、まだ情報不足なところもありますが、現在あるデータを見ますと、子供を対象とした結果では92%近くまでの予防効果を見られたというデータもあります。


誰でも受けられるのですか?

Flumistは5歳から49歳までの慢性疾患を伴わない方のみの使用となっております。Flumistは弱毒化ウィルスを使っていますが、これはまだ生きているウィルスです。小さな子供、または高齢の方は免疫機能が低下している可能性がありますので、Flumistがインフルエンザの症状を起こしてしまう恐れがあります。また年齢にかかわらず、慢性心肺疾患、腎臓病、糖尿病などを抱えている方も同じく対象外となります。また予防接種のほうは認められていますが、妊婦への安全性はまだ明らかでないため、対象外となります。


副作用はありますか?

子供では鼻水、頭痛、嘔吐、筋肉痛、微熱などが見られることがあります。大人では、鼻水、頭痛、咽頭痛、咳などが見られます。大人では熱は少ないようです。
今後、読者の質問に答えるコラムを考えています。答えてほしい医療に関する質問が有りましたら、下記のE-Mailアドレスに、四方宛に送ってください。